2019/12/08

南粤美食で忘年會2019<茶色万歳>

恒例の忘年会を南粤美食で開催しました。

ここのところの南粤美食の人気はすさまじいばかり。以前のように黄老闆と話合いながら宴会内容を決めてゆくということは事実上不可能な状態。
代替策として、自分でメニューを数パターン作って提示し、あとはお任せという手順を踏んでいます。今回も2パターンを用意し、あとはお任せということにしました。

待ちに待った宴会開催日は快晴。心も弾みます。
今回の料理は以下のとおり。すべてこちらのリクエストどおりでした。
 滷水拼盤
(鷄翼、豬耳、硬豆腐、金銭肚、鷄蛋)
テーブルに運ばれてくると歓声が沸きたちました。真っ茶色ワールドの先陣を切るのは、滷水煮の盛り合わせ。味だけでなく香りまでもが、「廣東料理の宴会、始まりました!」と告げているようです。
陳皮鴨 
陳皮、ショウガ、アヒルの煮物。予約時のリクエストには「陳皮鴨」とだけ記述しました。この料理は、大菜(宴会料理)として提供される場合は、アヒル丸ごとの形状で登場して宴会を盛り上げることが多いです。黄老闆は、小菜(お惣菜料理)としてこの料理を登場させました。理由は「中山(※)ではこうやって食べる!それにこっちの方が味が染みて旨いからっ!」だそうです。
比較的若い陳皮使っているのでしょう。さわやかな香りと美味しさが私の味覚に襲い掛かります。おまけに、大き目にカットされらショウガの美味しさといったら!
※:黄老闆の故郷
生抽煎中蝦
煎り海老の醤油風味。いまとなっては古臭くなってしまった香港料理をだしていただきました。これ、醤油が入り過ぎては蝦の風味が失われてよくないし、その反対だともっと美味しくないので地味な割にはメンドクサイ料理。黄老闆、そのあたりはきちん仕上げてきました。
蒸生蠔
牡蠣の蒸し物。2秒で食べてしまい、味わう暇がありませんでした。なんか辛かった気がする。10個くらい食べないとよくわかりません。

豬尾花生湯 
豚の尾と落花生のスープ。潮州菜の名菜を依頼してみましたが、ご覧のとおり廣州に寄った仕上がりになっています。もちろん、それもまた美味しいです。器のふたをとると、落花生の豊かな香りが辺りを支配します。心に染み込んできます。美味しい!

 蘿蔔豆腐煮魚
大根と揚げ豆腐と魚(アカハタ)の煮物の登場です。ご覧のとおり真っ茶色です。旨いかって?大根と豆腐ですよ!魚のうまみを吸って我々をメロメロにさせました。おまけに、このタレ!当然、飲みましたよ!
 清炒芥蘭
この宴会で初めての茶色以外の食べ物は、冬の味覚ガイランです。バキっといきます。
窩蛋牛肉崧煲仔飯
南粤美食では、一年中煲仔飯を楽しめますが、基本的には煲仔飯は冬の味覚です。今回は、食材のバランスを考え、牛肉の煲仔飯にしました。南粤美食の窩蛋牛肉崧煲仔飯は香港の有名店にも引けをとらない美味しさです。
 薑汁燉鮮奶
ショウガと玉子と牛乳のプリンです。冬って、こういうのを求めちゃうんですよ。私、ショウガ好きなんです。これがもう美味しくて、しみじみします。
ちなみに、このプリン。厨房設備と人手の限界もあって貸し切り宴会でないと無理らしいです。

ここで宴会は終了なのですが、参加メンバーから「鮮蝦雲呑麵」のリスエストが!というのも、「大行列で簡単には食べることができなくなってしまったので、この機会に胃袋に詰め込んでおきたい!」とのこと。確かにそうだよね...ということで、追加注文。
じゃーん!
鮮蝦雲呑麵
ちょっと麵が柔らかすぎ。これ、香港風味をそのまま再現すると麵が「輪ゴム」と称される弾力の強い歯応えの状態となるのですが、食べ慣れないひとにはあまり評判は芳しくない。そこで、ちょっと柔らかめに茹でているそうだ。香港っぽいものを目指しているひとにとっては、物足りないことになる。まあ、日本で商売しているので、多くのひとが喜ぶ味に寄せていくのは仕方がないことだ。
本日は、よく飲みました
楽しい時間は、永遠には続きません。宴会はお開きになりました。今回も美味しくて、楽しくて、よく飲んで、よく笑い、よくしゃべりました。
また、南粤美食には、いつもどおりメンドクサイリクエストに対応していただき、感謝いたします。

ことしもいろいろありましたが、来年もよろしくお願いいたします。

2019/12/01

横浜鶴見の満州園でその実力を思い知る

横浜鶴見の満州園で、4名という少人数ですが初めての宴会です。満州園といえば、餃子、炒飯、炒麵が人気であり、ひとりかふたりで行くときは、これらのメニューに豚足が加わるくらいした食べたことがありませんでした。

今回、宴会の機会を得て、日曜日の朝11時に集合。オープンと同時に入店。メニューから、あれこれ注文しました。

 朝の11時から背徳のびんビール(大びん)
「633は男の義務教育」by玉袋筋太郎
ナムルが付いてきた
ビールを飲みながらメニューを眺めつつあれやこれや
...で、注文したのは以下の料理の数々。
 激うまな豚足
 激うまなジャコの辛味炒め
食神降臨ものの餃子 
青梗菜炒め
といいつつスープ煮に近いのだがありえない程旨い。
配膳口からテーブルまで大騒ぎで運ばれてくるものだから、他テーブルからも注目となった謎の一皿は… 
沁みる旨さの牡蠣の鉄板焼き
紹興酒登場。
なんと、保温用のステンレスの容器に入ってきた。
高級店でもこんなの見たことがない。
さっぱりとして幾らでも食べられそうな烏賊の炒めもの。野菜類は、牡蠣の鉄板焼きと同じものを使っているのですが、味付けが異なるため、「食材重なっちゃった」感が全くありません。
泣ける旨さの油淋鷄
 随園別館の合菜戴帽?
 いいえ、懐かしい味わいの玉子炒飯です
不同の人気の炒麵
いつも活気ある満州園。いつも少人数でいくので定番のものしか食べたことがなかったのです。ここで宴会をしているひとたちが羨ましかったのですが、とうとう念願を果たすことができました。私の満州園に対する認識は「規模の大きい町中華」だったのですが、その認識はハズれていたようです。どういう表現をすればよいのか...「町中華もやっている中国料理店」...まだ認識がずれている気がしますが、以前よりも良くなった気がします。
しかしながら、満州園がこんなに凄い店だとは知りませんでした。長年、人気店として確固たる地位を築いているその理由をいまさらながらに思い知らされました。

もっとひとを集めて宴会やりたいです。

2019/11/04

清蒸大閘蟹、醉蟹、紅燒元蹄、八寶鷄~萬来亭の神髄を味わう

かれこれ40年近い付き合いのある友人たちとの恒例の萬来亭秋宴会。
これまで、秋の萬来亭宴会では、上海蟹三昧の宴会を実施してきましたが、年齢を重ねるごとに、「美味しいけれど、目や肩が酷く疲れる…」という気持ちが増してきました。
そこで、今回は原点にもどって、上海蟹料理は、清蒸大閘蟹(蒸蟹)、醉蟹(酔っ払い蟹)に絞りました。
そして、上海料理の萬来亭たらしめる紅燒元蹄(豚のすね肉の醤油煮)と八寶鷄(丸鷄にもち米を詰めて揚げたもの)をメインとしました。
予約時には、これらの料理を事前に依頼し、その他については、当日の気分で注文することとしました。

久しぶりの面々が集まり、けたたましいおしゃべりが始まります。まずは、瓶ビールで乾杯です。
前菜として、この3品。
 1.干絲豆腐(干し豆腐)

 2.白灼牛肚(牛モツの湯引き)

3.醉鷄(酔っ払い鷄)
ああ、ビールが進みます。さっそく紹興酒に突入する輩も登場です。こんなに美味しいものが通常メニューに載っているんですよ。凄いと思いませんか?注文しない選択肢がありません。
前菜3品がなくなった頃を見計らって、季節の上海蟹料理が登場です。

 4.醉蟹(酔っ払い蟹)
5.清蒸大閘蟹(蒸蟹)
醉蟹の味付けは、店ごとに異なります。萬来亭の味付けは、アルコールが尖っていなくて、やや甘味があって、私の好みのど真ん中なのです。口福を極めました。
ところで、蟹料理がでてくると、普通、静かになりますよね?ところが、全然静かにならないんですよ。こいつらなんなんですか?

6.紅燒元蹄
豚のすね肉の醤油煮。醤油の香り、深い甘み...とろける美味しさにクラクラします。上海料理の看板を掲げる萬来亭の神髄はまさしくここにありと私は勝手に思っています。

7.黄瓜毛荳
キュウリと枝豆の和え物。萬来亭の人気メニューです。実は、前菜として注文するのを失念。
紅燒元蹄登場後に思い出して注文したところ、口のなかをさっぱりさせる効果を発揮。期せずして宴会に緩急をつけることに成功しました。

8.干絲豆腐湯
干し豆腐、豚肉の細切り、海老のスープ。いつもは、蝦米を使っているのですが、この日は剥きエビを使用していました。
風味高く、ショウガが効いて、おいしいだけでなく、口のなかをさっぱりさせるとともに、身体を温める効果を発揮します。蟹は身体を冷やしますので、このスープの効果もまた重要です。

 7(1).八寶鷄(外見)
7(2).八寶鷄(内側)
丸鷄にもち米を詰めて揚げたもの。杭州名菜です。この料理、本来ならアヒルを使います。しかしながら、萬来亭のオーナーが、この料理にあうアヒルが手に入らないという理由で、萬来亭では鷄を使用しています。皮がサクサクに揚げられていて、歯応え抜群。中のもち米にはいろんな具材の味が染み渡っています。

8.炒麵(画像なし)
萬来亭名物、上海やきそば。その美味しさは、説明の必要もないでしょう?

9.杏仁豆腐(画像なし)
予約宴会時は、凝ったデザートを依頼することも多いのですが、今回は通常メニューから。
いつもどおり美味しゅうございました。

萬来亭の宴会。いつもながら安定の美味しさに感動します。

2019/09/29

横浜中華街・美楽一杯新館で突発的小宴会

友人が昼飲みに誘ってくれました。
急な話でしたので、場所に迷いましたが、以前から宴会をやってみたかった美楽一杯新館を選択。
マスコミ登場が多い店ですので、テーブルを確保できるか心配でしたが、宴会当日のオープン時に店に顔をだしたところ、あっさりとテーブルを確保できました。
ということで、今回は事前の綿密な打ち合わせとかはなくって、宴会当日その場で決めた料理です。
まずは、3杯1000円のビールで乾杯。


料理は、壁に貼ってあるものを中心に選択。
1.牛脛葱絲
牛スネとネギのピリ辛和え。胃袋を活性化させる味と香りにこれからの料理に期待が高まります。
2.酸菜炒大腸
野菜の漬物と大腸の炒め。この香り!旨い。どうみても白飯案件なのですが、煲仔飯を注文するつもりでしたのでぐっとこらえ、ビールで流し込みます。
3.蛤蜊豆腐湯
これはメニューにはなくて、「今日はスープありますか?」と問い合わせてでてきたのがこれ。笑っちゃうくらいうまい。
4.炸茄子
茄子が食べたい!その1(揚げ物)。
新橋の上海料理店鴻運の人気メニューに薄切りに茄子をパリパリに揚げたものがあります。それがでてくるのかと思ったところ、まったくアプローチの違うものがでてきました。これ、凄いんですよ。衣の内側の茄子がトロトロに溶けている。あまりの美味しさに唸りをあげました。
5.鹹魚茄子煲
茄子が食べたい!その2(鹹魚と茄子の土鍋煮)。
テーブルに供されると鹹魚の香り高さに陶然とします。これもまた美味しいのですが、テーブルにあった「椒醤」と合わせて味変させると、味が引き締まってさらに美味しくなりました。


6.北菇滑雞煲仔飯
これ、激うまです!

嗚呼!いまはなき大珍樓煲煲好を彷彿させる地味にして滋味溢れる料理の数々。そして、どの料理も独自のひと手間、ふた手間をかけることで、その美味しさの複雑さ、奥深さをさらなるものにしています。
とりわけ、北菇滑雞煲仔飯は、乾燥食材の美味しさが鷄の美味さを凌駕し、脇役が主役に躍り出るという類稀なる一品で感激しました。
ちなみに、北菇滑雞煲仔飯で使われていた金針菜に似た乾燥食材は何かと聞いてみたところ、「珍金花」という説明を受けました。ちょっと聞いたことがないな...食材店で聞いてもわからないというし、道で偶然にあった大通りの大店の社長さんに聞いても首をかしげるばかり。ちょうどその場に居合わせた広東系老華僑が「金針菜だよ」と教えてくれました…これだから、中華街は面白い。

こんどは、大人数で宴会やりたいです。火鍋もあるしね。