スープとしての粥は、予め廣東粥のように味付けがなされており、そのなかにさまざまな具を投入していくうちに、絶品の粥に仕上がっていきます。
ちなみに、スープにサラサラした重湯状の粥を使用するのが順徳縣スタイル、ドロドロした廣東粥を使用するのが香港スタイルであると、香港人の友人に教えてもらいました。
今回は、横浜中華街の廣東料理店・南粤美食で、粥底火鍋の宴会をお願いしてみました。
この宴会においても、いつもどおり、1か月以上前から自分が食べたいものをリストアップし、店と数回に渡る相談のうえ、内容を決定しています。
また、この宴会で使用する食材の試食も行い、工夫点、改善点の意見交換もしました。南粤美食の黄廚師にとっても、私にとっても、日本での初めての粥底火鍋宴会です。研究に余念がありません。
宴会当日は、厨房の処理能力から貸し切りとなりました。
参加者は、14名、テーブル配置はこんな感じ。円卓をくっつけてもらいました。日曜日の昼下がり、太陽光がローズホテルに反射し、店内を明るく照らし、非常に居心地のよい空間を作り出しています。
当日のメニューは以下のとおりです。
1.鹽焗鷄
南粤美食の名物、鷄の塩釜蒸焼きです。今回は、この鹽焗鷄を粥底火鍋の具としていれてみようと考えてだしてもらいました。というのも、香港元朗の人気粥店の看板メニューの鷄粥には、この鹽焗鷄の塩気を強くしたものを使用しているのです。
折角なので、半分は前菜として普通に食べ、残りの半分を鍋に投入してみました…結果は、「うまい!」です。みなさんも機会がありましたら、試してみてください。
2.粥底火鍋
扇貝
海鮮丸子
鷄肉片
牛肉片
荳腐
冬菇
南瓜
油條
蛤蜊
魷魚
生菜
牛肉丸子
豬潤
炸雲吞皮
すごいことになりました。
食べ方は、好きなようにすればいいのですが、やはりおいしいダシがでる海鮮から投入することにしました。また、イッキにいろいろ入れるのではなく、一種づつ入れた方が味わいが確認できるので、一種類食べ終わったら次を投入という食べ方をしました。
さて、粥底火鍋の醍醐味は、粥を育てることです。食べ進んでいくうちに、いろんな食材からダシやらうま味がにじみ出て、それこそ絶品の粥になっていきます。
画像をみると、粥の色が変化していることにお気づきでしょうか?乳白色の粥がだんだん黄色くなっていく。今回は、素晴らしいおいしさに育ってくれました!
初期状態 |
中盤1 |
中盤2 |
最終局面 |
全員、お腹いっぱいで、もう食べきれないと言いながら、油條まできっちりと食べてしまいました。
3.鮮奶燉蛋
デザートは、蒸プリンです。もちろん、メニューにはありません。貸し切りの予約宴会ならではのものだと思います。まさか、こんなに美味しいものを日本で食べられるなんて思ってもみませんでした。香港 義順牛奶公司のものにも負けないくらい美味しかった。
粥底火鍋宴会を実施してよかった!こんなに素晴らしい内容になるなんて、予想を遥かに超えるものとなりました。これも店の熱意の現れであり、感謝するばかりです。ありがとうございました!