そのドレスコードとは…
・ド派手なアロハシャツ、浴衣、その他「いかにも」なダサいリゾートファッション。
…こういう服装のひとが集まると、参加者の気分がUPするという効果があり、宴会がよりいっそう盛り上がるのです。
「バカバカしい…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その「バカバカしいノリ」が大事だと思ってます。
今回もいつも通り、私がメニューを考えて、黄老闆に提示。何度か意見交換をして味付けや調理法などを詰めていきました。このうち、何品か作ったことがないということで、宴会当日まで試作と試食を繰り返して味を決めていきました。
テーブル配置は、前方後円墳型
最終決定は、以下のとおり。今回は、香港、潮州、順徳の郷土料理を中心に組み立ててみました。
椒鹽粟米(トウモロコシの揚げもの塩胡椒風味)
麻辣小黄瓜(キュウリのピリ辛和え)
当初は、辛味を抑えた味付けを依頼したのですが、黄老闆の提案で、「暑い季節なので麻辣を強めにしましょう」ということになりました。実際に食べてみると、「麻辣強め」が正解。夏のバテ気味の食欲が増進します。宴会のスターターとしてふさわしい内容となりました。
瑶柱冬瓜薏米豬脚湯
(貝柱、冬瓜、ハト麦、豚足のスープ)
予約時のリクエストは、「冬瓜を使ったスープ」という大雑把なリスエストでした。「で、動物性の味はどうする?」が悩みどころ。螺頭や排骨がうま味があってよいと考えたのですが、これまでの宴会で使いましたし、他の料理と食材が重なることもあり、今回は豚足にしてみました。また、塩分を控えめにしてもらった結果、豚足ならではの動物性のトロミ、食材のうまみ、甘みが前面にでる内容となりました。(貝柱、冬瓜、ハト麦、豚足のスープ)
フランス産だぜ! |
白飯
ハイ!どーん!ここで白飯がいつもどおりドンブリで登場!テンション上がりまくり!
潮州鹹檸檬蒸排骨
(潮州産塩漬檸檬と豚バラの蒸し物)
自宅から持ち込んだ潮州産鹹檸檬と排骨と蒸してもらいました。かつて横浜中華街大珍樓での宴会の際、「鹹檸檬を使った何か」というリクエストに対し、店からの回答がこの料理。おそらく、大珍樓が創始者です。このときの鹹檸檬蒸排骨が桁違いに美味しかったものですから、その後いろいろな店で試しているのですが、なかなか再現できません。(潮州産塩漬檸檬と豚バラの蒸し物)
今回は宴会前に、試作と試食を繰り返しました。「まあまあいいかな?」くらいの出来まで仕上がったところで、宴会
当日を迎えました。この日にでてきたそれは、「まあまあ」なんてものではありません。「大満足な出来」でした。この料理、おそらく檸檬や自家製塩レモンでも美味しいのですが、潮州産檸檬特有の酸味が豊かな風味を醸成し、排骨の油っぽさを抑え込んでいました。幾らでも食べられそうです。
蝦醤炸鷄
(鷄の唐揚げ蝦味噌風味)
香港灣仔にあった順徳菜・醉湖海鮮酒家の逸品を再現してもらいました。これも、宴会当日まで試作と試食を繰り返して、調味料の調整をしました。蝦醤の香りを際立たせると塩っぱくなりすぎ、香りを抑えるとただの唐揚げになる…この塩梅が非常に難しかったです。しかしながら、この料理は、蝦醤の香りが命ですから塩っぱいのを覚悟していたのですが、最後の調整で素晴らしい塩梅に到達しました。(鷄の唐揚げ蝦味噌風味)
醉湖海鮮酒家の蝦醤炸鷄、ほぼ再現できたと思います。画像だとただの唐揚げにしか見えませんが…香りが伝わらなくて残念です。
涼瓜荳豉牛肉
(苦瓜と牛肉の黒豆ソース炒め)
夏らしい苦瓜を使った料理をということで、超定番の涼瓜荳豉牛肉を組み込んでみました。さわやかな涼瓜の苦さが食欲をそそります。(苦瓜と牛肉の黒豆ソース炒め)
蝦子生根豆腐
(大豆製品の揚げ物、豆腐、筍、椎茸の乾燥川蝦の卵煮込み)
これも香港灣仔にあった順徳菜・醉湖海鮮酒家の逸品を再現してもらいました。生根は日本ではなかなか手に入らない食材ですので、他の食材で代用してもよいと説明していたのですが、当日はちゃんと生根が調理場に!感謝の涙がでました。
調理場には生根が!
いろいろな店で、この料理をだしてもらいましたが、生根が存在してこそ完成する料理です。蝦子のうまみを吸い尽くした生根を食べるときの感動が蘇りました。満足のいく形で再現できたことが嬉しくて嬉しくて!ちなみに、醉湖海鮮酒家のメニューでは「生根」のことを「山根」と表記していました。
炒田七
(田七の炒め物)
南粤美食の屋上で栽培している田七の炒め物。モロヘイヤに通じるトロミのある触感で、身体によさそうなだけでなく、大変に美味しかった。(田七の炒め物)
緑荳沙
(緑豆の糖水)
香港の廣東料理店では、夏場ですと食事が終わるとこの緑荳沙が勝手にでてくることがあります。夏の定番のデザートなのでしょう。今回は、それをまねてみたのですが、南粤美食では豆をすべて絞って裏ごしして、カスを取り除くという、極めて丁寧な緑荳沙をだしてきました。碗の底には、文字通りの「沙」だけが沈んでおり、生姜と陳皮の風味が効いており、宴会の締めに相応しい上品な仕上がりに感激しました。(緑豆の糖水)
今回も準備段階からものすごく手間のかかった宴会でしたが、黄老闆の熱意が伝わる料理の数々に感謝するばかり。また、炎天下にもかかわらず宴会にきてくれた宴会仲間にも感謝。そして、今回は南粤美食のご紹介で3名のご参加をいただきました。楽しいひと時を過ごすことができたことに感謝します。