2018/04/01

東京九段下<錦福>で春の燒きもの大宴

東京九段下錦福で、香港式燒味を中心とした宴会を実施してきました。

宴会仲間が運転中にオープン準備中の「錦福 香港美食」を発見。「香港美食」を謳って実際に香港美食だった試しがないのに、ちゃんとオープン後に訪問するのが偉い。そして、この日以降、香港好きな連中の「錦福詣」が止まりません。閑古鳥が鳴いていた店が、数日で繁盛店になりました。
なぜ、繁盛店になったかって?インフルエンサーにタダ飯食わせて、中身のない紹介記事を書いてもらわなくたって、「圧倒的に美味い焼き物をだしている」だけで、評判は広がるもんです。

ところで、私も何度か錦福に足を運んで分かったことは、錦福のオーナーシェフの鞏氏は、焼き物の超エキスパートであること。あまりにもエキスパート過ぎて、焼き物以外の料理の段取りが悪く、時間がかかってしまうことが多々あるのです。ここで宴会をしたいと思っても、他のお客さんがいるようなときは迷惑がかかり難しそう。これはもう貸切る以外に道はありません。そして、何度も店に足を運んで、宴会内容を相談し、以下のように決定しました。

1.皮蛋酸薑
2.西湖牛肉羹
3.白飯
4.清炒青梗菜
5.港式燒味
(1)燒鷄肝
(2)燒鴨
(3)脆皮燒肉
(4)叉燒
(5)五香牛展
6.拔絲紅薯

今回のポイントは、宴会といえども、錦福は燒味のエキスパートなのでいろいろなことはせずに、燒味をメインに据えた点です。料理の順序は、香港中環にある鏞記酒家の燒鵝中心の宴会をイメージしながら考えました。
33名で貸し切り
皮蛋酸薑
鏞記酒家の皮蛋と同じようないわゆる糖心状態。これが日本で食べられることの嬉しさよ。酸薑(ガリ)と一緒に食べるとこれが風味が数倍に膨れ上がるのです。

西湖牛肉羹
これを打診したときはちょっと難色を示されたのですが、 最終的には作っていただきました。現時点では、錦福のメニューにはスープがなく、廣東料理好きとしてはさびしい思いをしていますが、これをメニューに載せればいいのにと思う次第。

燒鷄肝
ネットリしたレバーの燒味。ヘタな店で食べると、ちょっと臭みがあったり、パサついたものに遭遇しますが、これは完璧。高品質なレバーペーストを齧るような触感。 

燒鴨
パリパリに焼けた皮目に涙。アヒルの美味しさを存分に楽しむことができました。 

脆皮燒肉
脆皮と名乗るにふさわしい、パリパリ感が印象的。嫌な臭み、獣臭なども全くなく、脂身の甘さを堪能しました。

蜜汁叉燒
これもまた柔らかく香り高い叉燒。もう美味しくて倒れそうです。

五香牛展
牛脛の冷製。口のなかで崩れていく儚い感触。控えな味、香りに陶然とするばかり。

清炒青梗菜
青梗菜というのは不思議な蔬菜で、歯応えを残した火入れで美味しさを楽しむこともできますし、柔らかくなるまで火入れをしたときの美味しさも格別です。この日の青梗菜は、芯が柔らかくなるまで煮たあとに、さっと炒めたもの。味付けは、日本人からすると「やや塩気がつよいか?」というギリギリの見極めで、最高の美味しさを引き出すことに成功しています。

拔絲紅薯
サツマイモの飴炊き。日本の大学芋の原型かも。熱々の状態で登場し、芋をいったん冷水につけ、回りの蜜を固まらせて食べます。シェフによると皿から冷水の器に移すときに、蜜が糸状になると「成功」なんだそうです。

おいしかった!お腹いっぱいです!大満足です!
錦福は調理は1名、ホール2名という態勢で、33名の宴会に対応してくれました。本当に大変だったと思います。大感謝です。
そしていつもどおり、集まってくれる宴会仲間にも大感謝です。中国料理は、人数が揃わないと、こういう宴会ができないんですから。