2026/06/28

南粤美食十周年感謝祭宴

横濱中華街に南粤美食が爆誕して10年を迎えました。個人経営の店が定着するのは大変なこと。料理だけでなく、顧客に対しても誠実に向き合い、人気店行列店になったからといって常に謙虚さ失わず、精進を怠らなかった結果と考えます。
今回、僥倖にも南粤美食十周年感謝祭宴への招待をいただきました。大変に名誉なことです。喜んで参加しました。

この日のメニューは、オーナーシェフの黄氏が手間暇かけた高級粤菜宴です。普段、南粤美食で宴会をするときは廣東地方や香港の家郷菜(郷土料理)・家常菜(家庭料理)を中心にコース内容を構築しています。普段の宴会の予算を3~4倍にすると今回の内容になります。思いがけず、高級粤菜の神髄を体験できました。

感謝祭宴の内容は以下のとおり。ちなみに、ドレスコードは黄と赤いものを身に着けてきて…でした。

黃金皮蛋・皮蛋・滷水牛腱
ピータンと牛筋の煮込み(冷製)。これ、美味しいんですよ。メニューに載せている店少ないですが、見つけると必ず注文します。ビールに合うんです。
豉油雞・白切雞
鶏の塩茹でと醬油煮の盛り合わせ。南粤美食の定番といえば鹽焗雞ですが、この日は敢えての変化球。自分にまわってきた部位が胸肉。パサつきが気になる。こういうときは葱油があるといいのだけど…ないか。そこだけちょっと残念。
瑶柱扒瓜脯
冬瓜の貝柱餡かけ。夏らしい冬瓜を使った宴会料理。贅沢に使われた貝柱の旨味が冬瓜によく沁みて、香り、歯ごたえも素晴らしい。美味しい。
海參・冬菇・花膠・鮑魚
ナマコ、椎茸、魚の浮袋、アワビの煮込み。美味しさに意識が飛びます。粤菜の神髄は煮込み料理だと思っている私には天国に導いてくれる一品。
高湯雞煲翅
地鶏をじっくりと煮込んで白濁した粘度の高いスープに巨大なフカヒレが大量に投入された手間暇予算のかかった迫力のスープ。美味しさの塊が身体に沁み込んできます。
豌豆炒平目魚
えんどう豆と平目の炒め物。地味なようで炒めの技術が冴え渡る一品。ここまで肉厚な平目の本体はかなり大物だろうと推測。平目は蒸しても炒めても美味しい。
金沙蝦球
塩漬け卵の黄身をまとった蝦の揚げ物。笑っちゃうくらい大きな蝦。塩気がちょうどいい。食欲が増す。
蝦燒賣
小籠飽
蝦餃
蝦燒賣・小籠飽・蝦餃
最近、南粤美食では點心に力を入れています。それに応えて飲茶會を開催したいと考えています。しかし、飲茶會で點心数品で2時間粘られては店が儲からないだろうから開催に躊躇しているところです。
百花蟹剪
蟹爪の揚げ物。宴会では定番人気メニューなのですが、味の想像ができてしまう。つまり退屈なことから自分の宴会ではは注文しません。美味しいか?と問われれば美味しいです。
黒椒牛柳
牛肉の炒め物黒胡椒風味。大量の黒胡椒でスパイス感あふれる味わい。これも「中国料理っぽくない」と感じているので普段は注文しませんが、めちゃくちゃ美味しいです。
辣味豬腸粉
米粉を板状にして蒸し、ロール状に丸めて炒めたもの。高級菜宴に突如の街頭美食(屋台料理)登場。これが美味しい。この時点でおなか一杯で沢山食べられないのが残念。
ところで、豚肉を使っていないのになぜ豬腸粉と呼ぶのか?なんですが、断面が豚の腸っぽいからだと推測(諸説あり)。
炒田七
南粤美食の屋上で栽培している夏野菜の田七の炒め。モロヘイヤっぽいトロみのある野菜で、身体によさそう。美味しい。とても美味しい。
黄瓤西瓜
縁起のよい黄色をした西瓜。美味しくない(泣)。
芝麻煎堆
ゴマ団子。熱っつ!

素晴らしい内容でした。
高級宴会料理もいいものです。
ちなみに、宴会は立食形式で14名前後。これを1日で4回実施とのこと。感謝祭とはいえ、黄氏働き過ぎです。健康のためにも少し休んで欲しいところです。
これからも商売繁盛をお祈りしています。
素晴らしい宴に招待いただき、ありがとうございました。


2026/02/02

南粤美食で新年会2026

 2026年の新年会を南粤美食で開催しました。


料理内容はいつもどおりこちらからリクエスト。その後何度か店側とやり取りをして最終形は以下のとおりとなりました。

豉油王乳鴿

子バトの醬油煮です。南粤美食では、豉油鴨や鹽焗雞が名物ですが子バトも美味しいです。今回は宴会ですので、特別料理の子バトの醬油煮を前菜としてリクエスト。もちろん、ひとり一羽というわけではなく、4分の1づつ切り分けたものとなります。


南瓜紅蘿蔔蓮藕排骨湯

カボチャ、ニンジン、レンコン、豚スペアリブのスープです。

冬らしい季節の食材を使ったスープ。広東料理ならではの滋味溢れるおいしさがあります。ちなみに、オーナーシェフの提案によりスープは「カボチャが溶ける位煮込んだ」状態です。濃湯(ポタージュ)ほどではありませんが、カボチャの甘みが引き立ち、魂が喜ぶ味わいとなりました。

具は別皿で提供されました。香港で例湯を注文するとこういうスタイルで提供されることが多く、「なんか一品得した」気分になります。

清炒芥蘭

ガイランの炒め物。これも冬の野菜です。苦みと甘みと歯応えが素晴らしい。

蝦子生根豆腐

海老の乾燥卵と球状油揚げの煮物。これを初めて食べたのは、香港灣仔にあった醉湖海鮮酒家です。海老の乾燥卵の風味と味わいが油揚げに沁み込んで美味しいんです。もちろん、南粤美食の蝦子生根豆腐も素晴らしい仕上がりでした。

で、当然のごとく...

白飯

ここは白飯の登場でしょう。どんぶり山盛りの白飯登場です。

薑葱生蠔荳腐煲
ショウガと牡蠣の土鍋煮です。南粤美食冬の絶品のひとつは牡蠣の土鍋煮でしょう。ショウガが効いて牡蠣の旨味とよく合わさってとても美味しいんですよ。これもごはんが進みます。
ちなみに、冬の絶品にはもうひとつあって、宴会時の特別料理である芋仔燜鴨(里芋と家鴨の煮込み)も相当に美味しいです。
清蒸鯛魚
鯛の蒸し物です。南粤美食での宴会では、魚料理は清蒸は敢えて避け、豆類やら大根などと蒸したり煮たりした郷土色が濃いものを出してもらうことが多いです。今回は、コースの組み立て内容からサッパリ味にして広東料理の王道の清蒸にしました。期待通りです。これもゴハンがすすみます。
牛肉片粥
牛肉の粥です。締めの炭水化物。いつも悩みます・・・炒飯類、煲仔飯類、麵類あるいは潔く白飯。今回は、コースの構成から牛肉を使った粥にしました。人生でもトップクラスに美味しい粥でした。
蝦吐司
海老すり身をパンに塗って揚げたもの。たまにはいつもと毛色が違うものを依頼してみました。長崎では卓袱料理のひとつとして伝わって来たハトシです。サクサクとして美味しいのですが、コースの終盤に揚げ物はちょっと重かった。これはコースを組み立てた私の責任です。いつか、蝦吐司を組み込んだ點心宴会を開催してみたいと夢が広がりました。

薑汁蕃薯糖水
ショウガとサツマイモの甘いスープ。例年なら冬宴会のデザートは紅荳沙(おしるこ)ですが、今年はサツマイモの甘いスープにしてみました。香港っぽいでしょ?身体が温まります。


いつもながらに茶色世界でインスタ映えのしない地味な内容ですが、私好みの素晴らしい内容でした。オーナーシェフの黄さんに感謝。適切なサービスを提供してくれたスタッフの皆さんに感謝です。

それから、いつも参加してくれる宴会仲間にも感謝。それなりの人数が揃わないとこういう宴会ってできないんです。

これからもよろしくお願いいたします。



2025/12/08

五本木の中華銘菜 慶Qingで忘年会2025

2025年は春夏のあまりの暑さのため宴会を主催する意欲が減退してしまい、大人数での宴会は開催せず、国内旅行ばかりしてました。秋中盤になりやっと涼しくなったので、年末に忘年会を開催することにしました。

今回は五本木の中華銘菜 慶Qingを貸切っての16名の宴会です。今回もこちらからのリクエストはしていません。慶のオーナシェフ梁さんは、私の好みを理解していますので安心して任せられるだけでなく、現地の新しい料理を積極的に取り入れるなど創意工夫を重ねていますので、宴会の度に新しい世界を見せてくれます。

当日は快晴。宴会日和となりました。

この日のメニューは以下の14品。

もう、すべてが美味しいのでいちいち「美味しい」とか「サイコー」とか書きません。
鳳城鮮魚滑(混ぜ前)

鳳城鮮魚滑(混ぜ後)

広東料理発展の中心地とされる順徳の別名・凰城を冠した刺身料理です。綺麗に盛り付けられますが、これにタレをかけて天地返しをして食べます。この料理は店ごとに味わいが異なり大抵は美味しいです。タレが勝負の分かれ目と思ってます。

醉翁鮮海皇
上海蟹の老酒漬け。2025年の上海蟹シーズンに宴会をやらなかったので、うれしい一品。世の中、上海蟹料理は沢山ありますが、突き詰めると<蒸>と<醉>に戻るのではないかというのが私の結論。

金絲海蜇皮
クラゲの細切り。いつもは肉厚なクラゲがでてくるのですが、今回は切り方を変えたようです。歯応えもいいです。

老火例煲湯
湯気で画像はぼやけてますが、広東郷土料理の神髄・例湯(スープ)です。この日のスープの具は、芥菜、雞翼、薏米あとなんだったかな。胃袋に落ちてゆくたびに心温まるものがあります。

脆皮五花腩

蜜汁叉燒肉
焼き物が二品。燒肉(しうよっ)と叉燒。広東料理店で焼き物が美味しいとほっとします。ところで、「燒肉」にカラシをつけて食べるようになったのはいつからなんでしょう?…とどうでもいいことを考えてました。

老陳皮藩茄
10年ものの陳皮を使ったトマトの蒸し物(?)。この意表を突く組み合わせ!不思議に美味しいんです。

海皇蒸水蛋
茶碗蒸し。見た目ほど味は濃くないです。

鹽焗鮮花螺
巻貝の塩釜蒸し焼き。トウガラシ、八角、ハーブで香り付けしています。こういうの好きなんですよ。この調理ならマテ貝もきっと美味しいですね。

古越龍山
この日はみんなよく飲んだ。まずはビールかドラゴンハイボールで乾杯。その後は、甕だし紹興酒、続けて古越龍山。甕だし紹興酒は雑味のある味わい。古越龍山はすっきりした味わい。甕だし紹興酒の方が好み。

蝦皮娃娃菜
干しエビと小型の白菜の煮物。蝦からいい出汁がでている。
なんとなく、冬っぽい味がするな。

茉莉煲煲飯
長粒米の香米。この香りを嗅ぐと、深呼吸したくなります。
もちろん、蝦皮娃娃菜のタレをかけて食べるわけです。

鹹魚湯蘿白
鹹魚(塩漬け発酵干し魚)の皮を焼いたものと大根の煮物。魚の皮って美味しいんだよね。カリカリと香ばしく焼いてあって、いい香り。味が沁みた大根もまたよかった。当然のように、タレは白飯にかけて食べます。

蒜茸蒸海鮮
魚と蝦のニンニクの風味の蒸し物。当然のようにハルサメも入っている。香港の海鮮市場のレストランだと帆立と春雨をニンニク風味で仕立てるのをよく見ます。あれの巨大な魚バージョン。これで16人分をまかないました。ハルサメもうまい。やっぱり、タレは白飯にかけて食べます。
桃膠西米露
桃膠(桃の木から分泌される樹液が固まったもの)とタピオカのデザート。あんなに食べたのに喉越しよくすっきりと肚に収まります。デザートは偉大です。

久しぶりの大きな宴会でした。
美味しかった。
楽しかった。
天候にも恵まれ、
宴会仲間にも恵まれ、
素晴らしいひとときでした。

参加してくれた皆さんに感謝。
美味しい料理を提供してくれた中華銘菜 慶Qingオーナーシェフの梁さんに感謝。
酔っ払い相手に適切なサービスを提供してくれたスタッフのみなさんの忍耐力に感謝。


2025/06/06

挑戦を続ける中華銘菜 慶

目黒区五本木の中華銘菜 慶 Qingでの食事。

いつもどおり予算を伝えてのお任せ。

今回は、オーナーシェフの梁さんが勉強のため福州、汕头、梅州を巡ってインスパイアされた料理がいくつか提供されました。

新洋葱濃湯
慶での夏の季節メニューにコーンポタージュがあります。これがおいしいのですが、今回は新玉葱のポタージュ。新玉葱の香り、やさしい甘みに思わず唸ってしまいました。
鳳城鯛魚滑
中華風の刺身。宴会で盛り上がる大皿料理ですが、この日は個別のポーションで提供されたのがうれしい。折角綺麗に盛り付けられての登場ですが、タレをかけてかき混ぜていただきます。
海蜇燒雞肝
クラゲと鶏レバーの焼き物。慶のクラゲって気のせいか歯応えがいいように思います。鶏レバーはパサつかずねっとりとしていていい仕上がりです。
梅干菜燒蝦
海老を乾燥梅菜で香りづけしたもの。豆豉と海老をあわせたものが好きでよくいただきますが、この組み合わせは初めて。乾燥梅菜の香り、ほどよい塩気が海老に移っています。海老の歯応えもよく、新しい経験となりました。
番茄醸鹹蛋(全景)

番茄醸鹹蛋(中身)
「塩玉子のトマト詰め」と説明を受けました。一見、ハンバーグのようで、味、食感ともに「重め」の料理かと思いました。食べてみると、そのようなことはなく至って軽やかな味わい。トマトベースのソースは「洋風のなかにしっかり中国料理」が残っていました。
蒜茸蒸蟶子魷魚
マテガイと水イカのニンニクソース蒸。香港海鮮料理の人気の帆立と春雨のニンニクソース蒸しのマテガイ&水イカ版。
味濃いめの料理で「白飯が欲しい」と思ってたら、ちゃんと一口分がでてきました。「わかっていらっしゃる」。
枸杞五指毛桃日本伊達雞煲
カセットコンロが登場しその上に土鍋が乗せられました。香りがいい。蓋を開けると薬膳の食材と伊達鶏がぐらぐらと煮たっておりました。まずは、スープがなくなるくらいまで炊き上げて、鶏をいただきます。鶏の美味しさに身体が驚きます。

土鍋に美味しそうな鶏油が残っています。その土鍋にスープをつぎ足し、再度強火で加熱してそのスープだけを楽しみました。好みで塩を一つまみいれました。
枸杞五指毛桃日本伊達雞煲(加麵)
スープだけを楽しんだあとは、麵が投入されます。薬膳鶏そばになりました。このとき、塩を一つまみと「沙茶醤の粉末版」という謎の調味料ひとつまみ投入して味変も楽しみました。
沙茶醤の粉末版
烏魚子炒飯
からすみ炒飯。ちょっと贅沢したかな。
日本宮崎芒果布甸
マンゴーピューレを使わない100%宮崎産のマンゴーを使ったマンゴープリン。初めて芒果布甸を食べたのは、福臨門魚翅海鮮酒家港島店。あまりの美味しさに気を失いそうになりました。以降、それに匹敵するマンゴープリンは横濱中華街にあった小さな売店(確か「楽食駄」だったかな?)のものだけでした。この日、数十年ぶりに福臨門での記憶が蘇りました。

今回は新しいものを沢山楽しませてくれました。挑戦を続けるその姿勢に頭が下がります。

美味しい料理を提供してくれたオーナーシェフの梁さん、適切なサービスで心地良い時間を作ってくれたスタッフのみなさんに感謝します。