2015/06/21

東京・恵比寿の中華香彩JASMINE


こんな私ですが「たまにはオシャレな店で宴会したい!」ということで、いろいろと店をリサーチ。東京・恵比寿にあります中華香彩JASMINEという店が浮上してきました。宴会仲間の評判もよいので、偵察がてらランチ訪問。そのときに感じたことは、伝統を重んじながら創意工夫を詰め込む料理を提供する店だということ。

普段、私が求めている「徹底的に郷土料理を現地風味で」とは少し方向が異なりますが、美味しければいいのですから、まずは小規模でお試し宴会を開催することにしました。



JASMINEのサイト(http://jasmine310.com/hiroo/)をみると、シェフの山口さんは江南地方の郷土料理を得意とされているようですので、予約時に「江南地方の郷土料理だけで構成された宴会メニュー」を打診しました。提出された第一案を基に何度かやり取りして決めた料理は以下の通りです。

―菜單―
01. 江南八小碟
  • 本帮滷烤麩 上海風カオフの煮しめ
  • 紹興糟三樣 三種食材の紹興酒糟漬け
  • 糖衣心太軟 もち米を詰めた棗の糖衣かけ
  • 龍井茶燻魚 縞鯵の杭州龍井茶の瞬間スモーク
  • 鎮江凍餚肉 鎮江名物豬脛肉の冷製
  • 江南十八鮮 江南風彩り野菜の和え物
  • 揚州燙干絲 揚州名物押し豆腐の湯引き
  • 香菰爆脆鱔 精進田ウナギの甘酢炒め

02. 宋嫂鮮魚羹 杭州名菜宋おばさんの魚スープ 
03. 古法香酥鴨 江蘇式アヒルの丸揚げ
04. 清炒河蝦仁 太湖の河蝦塩炒め
05. 蔥烤雙蔬煲 里芋とカリフラワーの炒め煮土鍋仕立て
06. 酸菜蒸魚件 石垣島直送スジアラと酸菜(発酵白菜)の重ね蒸し
07. 紅扒整豬頭 豚頭の揚州風醤油煮込み
08. 杭州片児川 雪菜と筍、豚肉の煮込みそば
09. 糯米松子燒賣 松の実いりもち米焼売
10. 椰汁綠荳湯 ココナツミルク風味の緑豆のお汁粉

どおです!すっごいでしょ?ワクワクするでしょ?
宴会前日、明日宴会に思いを馳せながらテレビ観ていたら、「新・チューボーですよ」にJASMINEの山口シェフが巨匠として登場!「ああ!明日は大行列なんだろうなあ!そんな日にめんどくさい宴会入れてしまった・・・店に申し訳ないことをした。」と思いつつ、宴会当日を迎えました。

当日はやっぱり行列ができています。宴会が始まる前から行列のお客さんたちの刺す様な視線と、おハイソな他のお客様の冷たい視線を感じつつ、いつもどおりのドンチャン騒ぎ。お洒落な店でやっちゃいましたです(猛反省)。

料理は、期待以上のものがありました。とりわけ、酸菜蒸魚件は、私の「発酵調味料を使った料理」というリクエストに応えたおそらくシェフの創作料理。香港でおなじみの豚肉や漬物などの細切りを魚に乗せて蒸す家郷蒸鮮魚の技法を使い、漬物を東北料理でおなじみの発酵白菜に換えて乗せたもの。少しピリ辛風味を加えて、素晴らしい料理となりました。おまけに魚の下に敷かれた粉絲がこれまた旨い!あまりの美味しさに唸りをあげました。
それから、豚の顔、予想通りインパクト大。そして美味しかった。

残念ながら香酥鴨は改善の余地が大ありでした。これは、決して失敗作ということではなく、予約時に伝えた私の好みである「伝統的な郷土料理」を伝統的な技法そのままで作ったものです。いまから三十年くらい前までよくみられた、厚い衣のもっさりした揚げ物でした。ここ数十年でひとの味覚は、急速に軽いもの、エッジが効いたものにシフトしているため、この技法では時代に追いついて行けないように感じました。

機会があったら宴会やりたいです。また香酥鴨を作ってもらいたい。今度は、衣を薄めにして、八角、花椒でスパイス感を出してもらおうかと思ってます。

でも、出入り禁止になっていなかったらの話ですけど・・・


なお、今回のメニューを決めるのに約1ヶ月を要しました。シェフに時間をかけて丁寧に対応していただきました。大感謝です。


お通し

壮観な前菜群

揚州燙干絲
この細さがセレブが集う店を体現している

香菰爆脆鱔

江南十八鮮

本帮滷烤麩

紹興糟三樣
冬瓜・鴨舌・鷄

龍井茶燻魚

鎮江凍餚肉

糖衣心太軟
これ、すんげえ旨え!

宋嫂鮮魚羹


古法香酥鴨

清炒河蝦仁

蔥烤雙蔬煲

酸菜蒸魚件

紅扒整豬頭

紅扒整豬頭
なんと豚の頭のしたには、獅子頭が敷き詰めてある

糯米松子燒賣と杭州片児川

椰汁綠荳湯
ごちそうさまでした。

2015/01/25

招来川菜館で、四川伝統料理に歓喜する

友人から、「面白そうな四川料理店をみつけたので宴会やろう!」との嬉しいお誘いだ。店のサイトをみると四川伝統料理を提供しているようだ。これは、期待大ではないか!

予約時の友人のリクエストは、以下の2点。
1. 四川の郷土料理であること
2. 辛くないものから激辛までバランス良く組んでください。

店は、このリクエストを快く引き受けてくれたとのことです。このリクエストが、店の「本場モードスイッチ」を押してしまったようで、事前に送られてきたメニューには、次のメッセージが添えられていたそうです。


<メッセージ>
四川の伝統料理に欠かせない材料、唐辛子と山椒と豆瓣醤と泡菜(これが一番大切)の味と香りが楽しめる料理を選ばせて頂きました。四川に行かれた事のある方であれば、納得して頂けると思います。


<菜單>
【涼 菜】
陳皮鸡翅
紅油豬耳
椒蒜茄子
老坛子泡菜
二姐兎丁
鹵醤牛肉

【熱 菜】
干焼鲤魚
泡椒牛蛙
香辣鯰魚
金湯牛肉
锅盔小炒肉
金鈎时蔬

【 湯 】
黄豆煨老鸭

【小 吃】
芽菜炒飯
甜燒白

【 茶 】
四川紅白茶

おお!ウサギ、ウシガエル、ナマズ・・・ワクワクするような食材が使われるのだな。四川料理はあまり食べないから、料理名だけではどんな調理になるか想像がつかないな。锅盔・・・これなんだかわからない。グーグルで調べてみると、ナンというかピタパンというかパンのようなものにいろいろ挟んで食べるものらしい・・・期待値MAX!

さて、お楽しみの宴会当日。招来川菜館は、西武鉄道多摩湖線一橋学園駅にある。駅を降り立つと、真冬の横浜より2度は温度低いんじゃないだろうか?すっげー寒い。駅を降りてちょっと歩いたらすぐに店は見つかった。「美味しさオーラ」をまったく感じさせないその佇まいに、却って力を秘めた恐ろしさを感じるのでした。
「美味しさオーラ」をまったく感じさせない佇まい

店の間口に較べて意外に奥行きがあり、立派な個室がある

高そうな工芸品

シックな店内

登場してきた料理の数々は、以下のとおり。


陳皮鸡翅

椒蒜茄子

紅油豬耳

老坛子泡菜

二姐兎丁

鹵醤牛肉(黄色いのは、鹹蛋黄)

干焼鲤魚

泡椒牛蛙

香辣鯰魚

锅盔小炒肉

金湯牛肉

金鈎时蔬
季節野菜(この日は福立菜)炒め上湯スープがけ

黄豆煨老鸭

芽菜炒飯

甜燒白(全体)

甜燒白(断面)



料理の色はどれも赤かったり、黒かったり。しかし、どれひとつとして同じ味ではありません。また、四川料理の宴会では、初めに激辛がでてきて味覚が痺れてしまい、あとの料理の味がよくわからないということがまれにあります。ここではそういったこともなく、辛さや痺れがいつまでも残らず、しっかりと抜けていき次の料理の味がしっかりと味わえました。予約時のリクエストが効いているのかもしれません。

どの料理もすばらしく、とりわけ、干焼鲤魚と香辣鯰魚の美味しさには度肝を抜かれました。
さらに、炒飯がでたあとに、我々はパニックになりました。中国料理の宴会では、炭水化物系の料理のあとはデザートがでてくるのが通例です。しかし、この日にでてきたのは、豚肉が山になったもの。もう「もうお腹いっぱいだよ!食べられないよ!」状態でもう一品の登場で動揺しましたが、これがなんとデザート。黒米)を甘く炊いたものに、豚肉にあんこを塗りつけたもので覆ったもの。
意外な組み合わせに、軽いカルチャーショックを受けました。しかし、これがとても美味しい。「デザートは別腹」を実証することになりました。

今回も素晴らしい宴会となりました。すばらしい店を発掘し、招待してくれた友に感謝です!

2015/01/18

大珍樓本店で、粤菜新年會。

2015年を迎え、新年會を開催しました。

今回のテーマは、ズバリ醉湖海鮮酒家です。
醉湖海鮮酒家は、香港灣仔にあった廣東料理店。びっくりするほどまずい料理もありましたが、心と身体に沁み込む、どこか懐かしいしみじみとした飾らない郷土料理で大変に人気がありました。日本にも沢山のファンがいましたが、2005年頃に閉店。その名菜の数々は十数年の年月を経てもなお語り草となっいます。そして、醉湖海鮮酒家閉店以降、これに代わり得る店をいまだ発掘できておりません。


今回の新年會を機会に、その醉湖海鮮酒家の名菜をメインに季節感のある料理で組み立ててみました。もちろん、日本では食材の調達に限界がありますし、なによりも作り手が異なりますからまったく同じに再現できるわけではありません。醉湖海鮮酒家のエッセンスが少しでも蘇り、それが宴会出席者に伝わればそれで成功だと考えていました。

菜單は以下のとおり。
  1. 燒味拼盤
  2. 老火湯(紅蘿蔔・蓮藕・痩肉・花生・冬菇)
  3. 大良炒牛奶
  4. 蝦醤碎炸鷄
  5. 清炒芥蘭
  6. 蝦子生根荳腐(生根はなかったので、烤腐で代用)
  7. 蘿蔔煮魚
  8. 臘味煲仔飯
  9. 双輝美甜點(流沙飽、馬來糕)

「『醉湖海鮮酒家』といったら、鹹魚鷄粒煲仔飯だよね?」という聲もあるかと思いますが、ここでは季節の自家製臘肉を使った臘味煲仔飯にしています。



さて、宴会当日。期待を膨らませて臨みましたが、なんと大珍樓は自らの解釈によって、期待を遥かに上回る素晴らしい内容で応えてくれました。一皿一皿が登場するたびに溢れ出る当時の記憶と香港風味に涙目になるものまででる始末。醉湖海鮮酒家の名菜は、新しい息吹とともに大珍樓の名菜になりました。

やっと、日本で醉湖海鮮酒家のエッセンスを再現できました。日本の廣東料理店だって、こんなに素晴らしいものができることを証明できたのです。これまで、何度もトライしてもなかなか突破できない壁をとうとう突き破ることができました。

年の初めの素晴らしい宴会。参加してくれた仲間に感謝!いつもめんどくさいリクエストに快く対応してくれる大珍樓に感謝!!

燒味拼盤

是日老火湯の具
(紅蘿蔔・蓮藕・痩肉・花生・冬菇)

是日老火湯
(紅蘿蔔・蓮藕・痩肉・花生・冬菇)

大良炒牛奶

蝦醤碎炸鷄

蝦子生根荳腐
(生根はなかったので、烤腐で代用)

清炒芥蘭

蘿蔔煮魚

臘味煲仔飯・仕上げ中

臘味煲仔飯

流沙飽

流沙飽

馬來糕

ごちそうさまでした!
2015年もよろしくおつきあいください。