2020/12/06

南粤美食で2020年の忘年會を開催した。

2020年は社会や生活が一変するという事態となり、記憶に残る年となりました。だからといって、うつむいたり、後ろ向きになったりしても何もいいことはありません。せめて気分だけでも前向きにしてくる年に備えたいと考え、忘年會を開催する判断をしました。
年末の南粤美食は、粥底火鍋宴会の予約が多数入っていて、なかなかの盛況のようでしたが、奇跡的に12月の日曜日の予約がとれました。


今回も、事前にメニューを3パターンほと考え黄老闆に手渡し。何を出すかはお任せとしました。

滷水拼盤(金銭肚・鷄蛋・荳腐・鷄翼)
滷水(タレ)煮。
こういうのが好きで好きでたまらないんです。
紅蘿蔔蓮藕牛腱湯
涙がでるほど心に沁みるスープの登場。
美味しいという言葉だけでは表現しきれません。
俺は泣くぞ!本当に泣くぞ!
メインの具材だけでなく、緑豆、小豆、陳皮(20年物)が味付けをしっかりと支えていました。
當紅脆皮石岐乳鴿
南粤美食の黄老闆の故郷は廣東省中山。中山の名産に石岐鳩があります。南粤美食では、石岐鳩が手に入るようになったらしく、鳩料理を出せるようになりました。これまでの経験から、輸入の鳩は冷凍ですので、味には限界があると思っていました。どんなに高級店であろうと、深圳や香港で食べる鳩には及ばない…そう考えていました。しかし、この日をもって、その考えは改めなくてはなりません。南粤美食の當紅脆皮石岐乳鴿は、これまでに日本で食べた鳩料理で最も美味しいものとなりました。深圳や香港で食べる美味しいものと遜色がありません。

大頭菜蒸黄花魚
私の宴会では、郷土色の濃い、白飯に合うようなお惣菜系の料理を組み込むことが多いのですが、これもその一つ。今回は大頭菜と一緒にキグチを蒸してもらいました。
大頭菜
残念ながら魚の下処理が悪く、鱗が多く残っており美味しくありません。これは黄老闆にクレーム入れておきましたので、もう、こういう失態はないと思います。もちろん、タレは白飯と和え食べました。

薑汁炒芥蘭
とてつもなく良い香りを漂わせながら登場したのは冬の味覚ガイランです。この、香り、味、歯応え、三拍子そろって素晴らしい。

辣蒸生蠔
辛油が辛すぎて、カキの風味が吹っ飛んでしまい、何を食べているのかわかりませんでした。黄老闆はコース中に1品ピリ辛料理を入れることで、味覚をリフレッシュさせることが多いのですが、さすがにこれは辛すぎました。もちろん、これも意見しておきました。

豉油皇炒麵
宴会の〆。今回は、豉油皇炒麵(港式炒麵)になりました。
こういうシンプルなものほど、おいしくておいしくて涙がでそうになります。
紅荳沙
甜品は、お汁粉。安心安定の美味しさ。

煎堆

店からのサービス。ひとり半個。ちぎって、紅荳沙につけて食べるとまた美味しさもひとしおでした。

2020年の忘年會は無事開催することができました。いつもと違うのは冬なのに窓開けっ放し、サーキュレータ回しっぱなし、食事をしているとき以外はマスク着用。お陰で、お酒があまり進まず。店への売り上げ貢献がいまひとつできませんでした。

いつかきっと、盛大に飲み食いして、思いっきり会話ができる日が必ずくると信じて、帰途につきました。

2020/11/29

茅場町<STADIUM 99 KAYABACHO>にやっと訪問できました。

やっと<STADIUM 99 KAYABACHO>を訪問できました。

この店、宴会仲間が偶然見つけてきて、なかなかに誉めるものだから気になっていて、機会を得て念願が果たせました。



<STADIUM 99 KAYABACHO>はいわゆる中華バル。店の佇まいに「美味しい中国料理が食べられる」雰囲気は感じられません。私だったら通り過ぎてしまうような雰囲気なのですが、友人はよくここを掘り当てたものだと感心します。

料理全般に味付けが濃い傾向にありますが、それはお酒に合わせるためです。したがって、中国料理店として利用すると、「ちょっと違うかも」という印象を受けるかもしれません。利用目的を間違えると失敗します。中華バルであることを最大限に楽しみましょう!

この日はテーブルだけ予約。料理はメニューから好きなように注文しました。



自家製チャーシュー(左)と冷た~いレバニラ(右)

自家製チャーシュー(左)冷た~いレバニラ(右)

旬の春巻(この日はカキとジャガイモ)

蟹シューマイ
ザーサイとキュウリのマリネ
天然イトヨリの中華蒸(〆の雑炊付き)
揚げごぼうの山椒炒め
蝦すり身と蓮藕の湯葉包土鍋煮

〆の雑炊

(天然イトヨリの中華蒸のタレを使っている)

レタス入り黒チャーハン
胡麻ダレ麻婆麵

こんなに美味しい料理の数々とサッポロ赤星やら山椒ハイボールやらドラゴンハイボールやらを飲んで、幸せな気分で帰りました。
それから店のオペレーションはひとりです。かなり大変そうでしたので、オーダーや会計のタイミングなどは客側が配慮しましょう。
いつか、この店で貸し切り宴会ができるのを楽しみにしています。

2020/09/27

五本木の中華銘菜 慶 Qingで、1Kg級のドウマン蟹を堪能する。

五本木の中華銘菜 慶 Qingに1Kg級のドウマンガニ(ノコギリガザミ・羔蟹)が二杯入荷したとの情報を得て早速問い合わせ。既に一杯は予約済みとのことで、残りを確保!

今回は、梁さんと相談のうえ、活きた蟹の鮮度をダイレクトに楽しめる清蒸羔蟹にしてもらいました。

その他の料理はおまかせで以下のとおり。あいかわらず美味しいです。品数は少ないですが、羔蟹がデカすぎて、これで十分。

1.醉鮪魚

鮪の老酒漬け。こういう変化球もまた美味しい。

2.清燉湯

慶では例湯(ホームスープ)をレギュラーメニューに載せていて毎回楽しみでもありますが、運がいいと燉湯(蒸スープ)を作っていることがあります。この手法でつくりだされたスープの美味しさは別格のものがあります。そして、この日は運がよかった。もちろん、細胞に染み渡る美味しさに心が溶けるのでした。

さて、メインの1Kg級の巨大なドウマン蟹が調理前の状態で登場です!この巨大な爪の挟む力は1tとか…冗談でも指入れちゃいけません。



蒸された状態で再登場!

命いただきます。あなたに感謝します。

3.清蒸羔蟹

3.清蒸羔蟹

殻が硬くて、蟹用ハサミで切れない箇所もあり、体力を使います。しかし、それに十分に応えてくれる蟹肉の量と美味しさ!三種のタレがでてきましたが、何もつけないのが一番美味しかった。

4.清蒸九絵魚


5.白飯

蟹を食べきったところで、お腹は八分目。軽く炭水化物で〆ることにしました。オーナーシェフの梁さんに相談して、クエと白飯という粤菜の神髄のような組み合わせで〆となりました。

6.紅薯雪羔

さつまいもの練り物を混ぜ込んだアイスクリーム。

久しぶりに羔蟹を堪能できました。美味しかった!そろそろ宴会したいなあ…

2020/06/15

新型コロナによる緊急事態宣言解除後の久しぶりの外食らしい外食に五本木の中華銘菜 慶 Qingを選ぶ


久しぶりの外食、予約がとれたので、五本木の中華銘菜 慶 Qingにしました。慶といえば、黒板のメニューが楽しみなのですが、ここのところ予算を伝えてお任せにしています。
何度か通っているうちに、オーナーシェフの梁さんは、私の好みを把握してくださっていますので、安心して任せることができます。いやもう楽しみで仕方がありません。
なぜか注文してしまうドラゴンハイボール
前菜(叉燒、白切鷄、海蜇)
安定の美味しさですね。クラゲは、分厚いクラゲを切ったものではなく、直径3cmくらいのマッシュルーム大のクラゲを丸のままのタイプ。これ、初めて食べたかと思います。
そういえば、私は幼稚園くらいの頃からクラゲが大好きだったんですよ。 


是日例湯(蘿蔔、排骨、鷄翼)
香りのよさ、沁みる美味しさ。例湯がいつもあるというのはどれほど心強いことか!どれほど、心を癒してくれることか!
蝦仁春巻
「今日は食べたことがないものをお出ししますよ」とのことで出てきた一品。
「やられた!ハルマキは好きだけど、網目状のタイプは食べたことがない!…なんでそのことを知っている?」そのことに驚くとともに、サクサクの歯応え、熱々の蝦の風味に改めて感激しました。
臘腸炒A菜
ただでさえ美味しいA菜を臘腸と炒めています。この臘腸からすさまじいまでの旨味が溶けだしていて、その加熱の見極めはやっぱりプロフェッショナルだなあと。さらにアツアツなのに、A菜の瑞々しさ、シャキシャキ感がきっちり残っています。
腐乳粉絲蟹煲

卵をたっぷりと抱えたワタリガニとハルサメの土鍋煮。味付けは腐乳ベース。ハルサメがすべての旨味を吸収して、有り得ない美味しさになっています。
金銀蛋肉餅煲仔飯
皮蛋と鹹蛋黄の肉餅の炊き込みご飯。米は、長粒米(香米)。香りだけで、ご飯3杯はイケます。
ところで、肉餅のキモは、その厚みにあると私は思っています。厚いと、齧りついた時の歯応えや口のなかに流れ込んでくる肉汁の量が多くて、美味しさを感じやすくなると。

今回の厚さは2cm位かな?大満足です。
茘枝、鳳梨酥、椰子雪糕
自家製のパイナップルケーキ。気が向いたので作ったとのこと。そのあまりの美味しさに気絶しそうになりました。「これ、売ればいいのに!」と打診したことろ「手間がかかり過ぎて無理っ!」とのこと。
慶では気まぐれにこういうものを作っています。いつ行ってもスペシャリテがあるわけでもないというのがいいところ。巡り合えたら、「今日は運がいい!」と神様に感謝しましょう。

久々の外食に慶を選んで正解でした。
心を豊かにしてくれる食事を提供する店に巡り合えたことに感謝するばかり。

2020/03/01

ホタルイカの春巻が食べたくなって五本木の中華銘菜慶qingに行く

ホタルイカのシーズンに突入すると、五本木の中華銘菜慶のホタルイカの春巻が食べたくなってウズウズします。今シーズも予約を入れて訪問しました。もちろん、予約時にホタルイカの春巻をリクエスト、あとはお任せです。
店に行く前に身体を清めるため、東横線学芸大学駅近くにある銭湯<千代の湯>に行ってみました。なかなかの盛況っぷり。ぬるめの炭酸風呂に15分くらい浸かっていると、ジワジワと汗が…風呂から上がってもぽかぽかと温まるのでした。これからは、慶に行く前には千代の湯で身体を清めるのが習慣になりそうです。

毎度のことながら、夜営業オープン直後に訪問。オーナーシェフの梁さんから「30年物の紹興酒が一杯分だけありますけど、飲ってみますか?」…断る理由などどこにありましょう?
1杯分をカミさんと分け合って飲みます。一杯のかけそば状態といいますか...手前どもは庶民です故(©浅草みどり)こうなります。グラスから立ち昇る豊かなかおり、透き通るような味わいが喉をとおって胃袋に落ちていきます。うまい!

それでは、スタートです。前述のように、春巻以外はお任せ。お任せとは言っても、オーナーシェフの梁さんは、私の好みをよくご存知ですので、それに沿った内容を提供してくれています。

蒸蠔
立派な蒸し牡蠣登場!長崎産だったかな?香りにやられ、味わいにやられました。おいひい~っ(©高田秋)。これなら、20個くらいいけます。生きているうちに一度、やってみたい。
蜜汁叉燒甜合桃
慶での食事は焼き物も楽しみのひとつ。広東料理らしい叉燒。コースなのでおとなし目の2枚。これを10枚くらいを白飯を盛った丼に載せて一気に食べてもまた美味しいに違いない。それから、胡桃の飴炊きもカリカリとした歯応えもあり、実に美味しいんです。

是日例湯(鴨肉、排肉、薏米、魚肉、鹹檸檬)
慶で楽しみなのは、例湯(その日のスープ)の存在です。廣東人の魂といいますか、日本でいうところの味噌汁のようなものでしょうか?体調が悪いときでも、これさえあれば栄養がとれてしまう。そして、なんと言ってもその沁みる美味しさがいい。

脆皮炸蛍烏賊春巻
揚げハルマキです。蝦醤風味をつけたホタルイカを巻いてあります。蝦醤の香りと強目の塩気とホタルイカの風味が実によく合います。この塩気を躊躇するとこのおいしさはでませんので、その見極めが凄いところです。
ところで、ハルマキはあまりにも食べ慣れ過ぎて、しばらく食べていなかった時期がありました。しかし、前年にこのホタルイカの揚げハルマキを食べて以来、頻繁にハルマキを食べるようになりました。ハルマキの美味しさと可能性を再認識させてくれた重要な一品です。

鹹魚炒春甘藍菜豬肉片
春キャベツと豚肉の鹹魚風味の炒め物。この時期ならではのキャベツの若々しい美味しさを前面に押し出してきました。こういう季節感を取り入れるのが嬉しい。
ちなみに、使われた鹹魚は鰆の鹹魚だそうです。


清蒸魚(メヌケ)
メヌケ...なんて美味しいのでしょう!しっかりとした肉質と歯応え、旨味。最上級のハタと遜色ありません。そして、葱とタレの香り...「ごはん下さい!」と叫んだところ、「大丈夫です」との返事。「大丈夫って何?」と思っていると…
でたぁ~っ!
絲苗白飯
長粒米、それも香り高い香米の土鍋炊きですよ!素晴らしい香りがテーブルを支配します。さっそく、清蒸魚のタレをぶっかけて食べます。美味しい!多幸感が湧いてきます!

豬腳薑醋
豚足を生姜、酢、冰糖で煮込んだもの。これ、大好きなんですよ。とりわけ、慶のはショウガをギンギンに効かせたタイプで、私好み。添えられたショウガも味が染みていくらでも食べられそう。ええ、もちろんこのタレ飲みました。ごはんにもかけました。一滴も残りませんでした。

おなかもいっぱいになったところで、〆のデザート。
草莓
阿福加德
おなかいっぱいでも、ちゃんと収まるんですよ。

今日も美味しかった!ごちそうさまでした!いつも思うのですが、慶で食事をすると、帰途は幸福な気分に包まれるんですよ。そういう気持ちにさせてくれる食事を提供する力を持っているって、凄いことだと思います。