記録的な暖冬と伝えられた2016年の年明けでしたが、新年會のこの日、記録的な寒波がやってきて、日本列島を凍りつかせました。長崎あたりでも100数年ぶりの降雪を記録。臺灣でも降雪のニュースが伝えられています。
今回の新年會では、新年っぽい料理を敢えて組み込まず、季節感のある食材や身体が温まる料理で構成してみました。結果、どういうわけか、農村のお祝い事の宴会っぽくなり、素朴で力強いすばらしいものになりました。
01.豉油鷄 |
今回は、前菜をどうするか大変に悩みました。
定番の燒味拼盤にするか、新年會に相応しい撈起魚生にしようか、それとも白灼中蝦でさっぱり目でいこうか・・・などと楽しい悩み。結局は、見た目、味ともに迫力のある豉油鷄なら盛り上がるだろう・・・ということで、豉油鷄にしてみました。香り高く、味がよく滲みていて素晴らしい味わいのあるもので、やっぱり盛り上がりました。
02.淮山杞子燉水魚 |
「冬なので身体が温まるものを」と考え、すっぽんの蒸しスープを依頼。今回の宴会全体からみたら突出して高額ですし、やりすぎの感が否めないのですが、たまには贅沢してもいいでしょうということでお願いしておきました。
次元の違う途轍もない美味しさ、身体がポカポカと温まる効果、みなさんの顔色がどんどんよくなっていくのがわかります。
03.薑汁炒芥蘭 |
これは2016年1月に香港で食べてきて美味しかった調理法を日本でも再現してもらいました。生姜の風味が野菜によく滲みこんでいて、相互に香りを引き出しておりました。清炒とはまた違う美味しさがあります。
04.鹹檸檬蒸排骨 |
潮州料理で多用される鹹檸檬を使って、排骨を蒸してもらいました。これは以前、「鹹檸檬を使った料理を何か考えて」とリクエストして、考えだされた一品です。今回は少し甘い味付けとなっていますが、檸檬の風味が食欲をそそりました。
これは香港で時々お目にかかる焗魚腸という料理を日本で再現するにあたり、手に入りにくい魚の腸を真鱈の白子で代用したもの。正直なところ、真鱈の白子で代用したこれの方が圧倒的に美味しいです。冬にしかできませんが、是非皆さんにも試して欲しい一品です。
廣東料理には、清蒸魚という素晴らしい料理があります。今回は、手を加えてたっぷりの漬物の冬菜や豚肉の細切りなど乗せて桂花魚を蒸してもらいました。画像から伝わるでしょうか?50cmを超える大物です。食べ応えもあり美味しかった。
07.臘味煲仔飯 |
季節の干し肉を使った炊き込みご飯。あまり濃い味付けをしないところがまた味を引き出して素晴らしい。
08.芝麻湯圓紅荳沙 |
日本のお正月ぽいかなと思い、定番のお汁粉。
09.流沙飽 |
09.流沙飽 溢れ出る鹹蛋黄を見よ! |
日本で食べること自体が奇跡な一品。入神の域に達している。唸るほど旨い。
宴会後、獅子舞がきてくれました。みんな大感激! |
ご覧のとおり、広東省の農村の祝い事のときの宴会みたいな内容となったが、これこそが私の目指す宴会である。
多くの仲間と大珍樓の理解と協力によって実現できた。感謝の気持ちでいっぱいである。
今年もよろしくお願いいたします。