2016/10/09

横濱中華街・南粤美食で秋宴会

例年、秋の宴会は上海蟹宴会だけを実施してきました。しかし、1回では秋という最高の季節を満喫しきれないため、どうしてももうひとつ旬の食材を使った宴会を実施したいと考えていました。
宴会準備中
幸いなことに、南粤美食という大変に興味深い店がオープンしてくれましたので、今回はこの店で秋宴会を開催することにしました。
宴会準備中
2016年の秋は、台風や大雨、日照不足などにより北海道をはじめとする各地の農産物は大打撃を被り、野菜の市場価格は高騰しました。そのため、少し多めの予算を提示して料理の相談をしていきました。
臘鴨
今回は合計4回、店に顔をだしていろいろ相談しました。通常、まず自分が食べたい料理のコース作成、提示し、それをたたき台にして最終合意までをとりつけます。なぜ、ここまでするのかというと、「完全におまかせ」にした場合、中国人コックさんは「日本人が好きそうな差し障りのない料理」を投入してきますので、全然面白くないことになるからです。「私は、こういうものが食べたいのだ」ということを認識してもらうために、自分でコースを組み立てたものを提示しています。もちろん、今回も手順は同じです。
鹽焗鷄と燒鴨
南粤美食のオーナーシェフは、はなかなかの頑固者かつ変わり者。私がお願いした食材を頑なに拒否したり、違う食材で作ってみると言い出したり・・・とりわけスープ談義になると、もう止まらない。暴走する機関車のように熱く語ります…やっぱりスープ命の廣東人ですね。
調味料の数々

テーブルの配置
今回は、20名を1テーブルに収めてみました。奥の席は狭いし、トイレにも行きにくいといった欠点があるけれど、この方がみんなの顔がみられてよいという判断からこの配置にしました。


この日にでてきた料理は以下のとおり(登場順)。
01.鹽焗鷄
02.淮山杞子紅蘿蔔螺頭排骨湯
03.黄酒煮薑蕃薯鷄
04.緑波荳腐
05.南瓜蒸排骨
06.椒鹽鮮魷
07.薑汁炒芥蘭
08.臘鴨臘肉臘腸煲仔飯
09.港式炒麪
10.冰糖雪耳燉蓮子

宴会の内容を考えるとき、料理の順序には細心の注意を払っています。しかし、この日に出てきた順序は、指定した順序とは大きく異なり、正直ボロボロ。でも、宴会参加者はそんなこと笑って流せる連中なので無問題。食べログに「料理の順番が変で、ガッカリです!」なんて書き込むお間抜けグルメちゃんは私の仲間にはおりません。


鹽焗鷄
鹽焗鷄(鷄の塩釜蒸焼き)です。オーナーシェフの故郷の味。噛めば噛むほどに美味しくなります。
淮山杞子紅蘿蔔螺頭排骨湯
当初、蓮藕と牛筋のスープを打診したところ、 スープ談義に花が咲くというか、咲き乱れるというか、廣東人シェフにスープの話を振った私がバカでした。廣東料理のスープならではの深い味わいです。大きく切った螺頭の歯応えとおいしさといったら!

黄酒煮薑蕃薯鷄
生姜、サツマイモ、鷄のぶつ切りの黄酒(紹興酒で代用)煮込み。前回の宴会で作ってもらった梅菜扣が大変においしかったので、今回も客家菜を頼んでみました。初めて作ったということでしたが、 なかなかの出来栄え。サツマイモの皮は剥かない方が郷土料理っぽくなってよいかもしれません。

緑波荳腐
香港元朗の大榮華酒樓で元朗菜として紹介されていた一品です。皿の底に、牛乳と卵白を蒸した粘度の高いプリン状にしたものがあり、その上にホウレンソウをすりつぶしたもの、海老、ホタテを荳腐に絡めた餡をかぶせた二重構造になっています。これも、初めて作ったとのことですが、絶品に仕上がりました。
南瓜蒸排骨
これは、「茄子か南瓜を使った料理を」というあいまいなリクエストに対するシェフからの回答です。
ニンニク風味が少々強いどころが香港風味。南瓜はもう少し火を通して、ホクホク感をだしてもらえたら私好みで完璧だったかと思います。

椒鹽鮮魷
海鮮を一品入れようと思い、椒鹽鮮魷を組み込んでみました。ちょっと期待した味ではなかったのですが、これを食べるとみんなが笑いだす懐かしい味で、ひとしきり盛り上がりました。


薑汁炒芥蘭
歯応えまでも美味しいガイラン。見よ!この色!


臘鴨臘肉臘腸煲仔飯
秋らしく干し肉を使った煲仔飯。仕上げの火入れがちょと弱いので再加熱してもらいました。香りがよくて、おこげもできて、すぐになくなりました。

港式炒麪
まだちょっと物足りなかったので、香港焼きそばを追加。香港の街角で売られているものよりも高級感がでちゃって美味しくなってますが、香りや食後ののどの渇きなど、よく再現できてます。

冰糖雪耳燉蓮子
白きくらげと、蓮の実、ユリ根の温かいデザート。こういう古風なデザートは、趣があって心が休まります。

食べ終わったので、おつまみとお酒でご歓談

呑んだなあ!
今回も店を貸切っての宴会。手間のかかる料理や作ったこともない料理もきちんと対応していただき、感謝の気持ちでいっぱいだ。また、この店の2階の広さが友人たちとの距離を近づけてくれるにはちょうど良い広さなのがいい。鄭氏オーナー時代の天龍菜館のような店になってくれたらうれしく思います。