南粤美食で忘年会を実施しまた。
南粤美食での宴会では、通常はメニュー内容、調理法、味付け、材料等はこちらの考えを提示し、オーナーシェフの黄さんの意見を反映したものとなります。今回は黄さんから「九大簋をやりたい」との要望がありそれを承諾。完全にお任せとしました。「九大簋」と銘打つ宴会は、南粤美食初。おそらく横濱中華街初だと思います。光栄なことです。九大簋について調べたところ、「田畑を耕す牛に感謝の意を示すため牛肉は使わない」という縛りがあるくらいで、内容については季節の郷土料理と考えてよいようでした。予算次第だと思いますが、魚翅、干鮑魚といった高級食材を使った料理や洗練・精緻を極めた料理はないようで、「大皿どーん!」「真っ茶色バンザイ!」な地味な料理が主役みたいです。
黄さんの故郷である中山の郷土料理を一部組み入れたとのこと。素晴らしい内容となりました。
鯛魚羹
鯛の解し身のとろみスープ。The 粤菜という感じのスープ。香りもよく贅沢な味わい。印刷されたメニューには、「鲫魚」とあります。本来ならフナを使うのだろうけど、どうしても泥臭さが残るので海魚に慣れた日本人には鯛がよいと思います。美味しい。
白切雞
茹で地鶏。白切雞と葱油の組み合わせって神だよね。
蓮藕炆鴨
レンコンとアヒルの煮込み。茶色ワールド全開。こういう料理大好き!南粤美食の最高峰の料理だと思う。
香芋扣肉
セレベス(里芋)と豚バラの煮物。セレベスが豚の脂身の甘さを吸い込んで美味しくなってるんですよ。
金沙大蝦
塩漬け卵の黄身を絡めた揚げ大蝦。香り高く、強すぎない塩気、殻ごとバリバリいきます。
古法炆冬菇
シイタケの煮物。お節料理感があるな。歯応えがよくて、「ジュワっ!」と味が染みでてくるのがいい。
炒芥蘭
季節野菜ガイランの炒め。バキッ!という歯応えが楽しい。こういう歯応えは火力の強い専門店ならではのもの。
咕噜肉
いわゆるスブタ。今回は、薄切りの豚肉を巻いて揚げるという小技を使って歯応えを楽しむような作り方をしています。甘酸っぱい香りにいろんな記憶が蘇る。美味しい。
日本では、中国料理といえば「エビチリ」「スブタ」「チンジャオロース」の時代が長らく続き、ここから脱却したくて宴会では敢えて避けてきました。中国料理店でスブタを食べるのは40年ぶりくらいかな。
陳皮紅荳沙
あずきの汁粉。冬の定番デザート。
以上が南粤美食初の九大簋の内容となります。
ここからは「折角南粤美食に来たんだから煲仔飯!」というリクエストに応えて、追加メニュー。
陳皮牛肉餅煲仔飯
九大簋の唯一のルール「牛肉は使わない」は忘れたのか!
いいんです。忘れました。
今回は、良く飲みました。ビールは13本。紹興酒は8本。少しは売り上げに貢献できたかな?美味しくて、楽しい忘年会でした。
オーナーシェフの黄さんをはじめ、スタッフのみなさんに感謝。
いつも集まってくれる宴会仲間に感謝。