それは、手応えのありそうな店を見つけたら、何度も何度も何度も何度も店に通い詰め、自分の好みを理解してもらい、店の「日本人はこういうものは食べない」「日本人はこういう味付けは嫌い」という先入観を解き放つ作業を行うこと。店に理解してもらうまでに、そうだな。1年くらいはかかるだろうか?
なんで、そんな時間とお金をかけてそんなことをしているのかといえば、「好きだから」としか言いようがない。
ちなみに、このプロセスを私は「カスタマイズ」と呼んでいる。
東京江戸川区平井にある粤和軒は、友人が偶然見つけてきた店だ。
いまはこのカスタマイズの真っ最中。今回の宴会は、友人が事前に十分な打ち合わせを行い、食材や土鍋を持ち込んで臨んだものだ。
このラインナップをご覧頂ければおわかりのように、香港でみんなで集まったときのような再現となった。
しかしながら、前半の絶好調さからは考えられないほど、後半の料理はテンションが下がってしまった。
おそらくは、客側の要求が店の陣容の処理能力を超えた内容だったこと、そして、店側が要求に応えようとして「いろいろ盛り込み過ぎた」のだと推測している。
そして、この按配の見極めが非常に難しいのだ。
今回は、いまひとつ残念な結果となったが、このままカスタマイズを続ければ必ず東東京の廣東家郷菜の拠点になると確信している。
その成長の現場に立ち会うことができているというのは幸せなことである。
ところで、薑米蛋炒飯は当初の予定にはなく、煲仔飯失敗の穴埋めにでてきた一品。これはもう美味しかった。
粤和軒
〒132-0035 東京都江戸川区平井4-5-8